Shapes Store / ISSUE14
Date : 2009.12
Common Magazine issue14
HUMANREPORT × Shapes Store
■ 宜しくお願いします。
MANKEY(以下M) 宜しくお願いします。
■ まずは自己紹介からお願いします。
平山 正洋、海外ではMANKEYとか言われています。
■ 初めてショップスタッフとして働き始めたのは、LIMITEDからだと思うんですけど、
その頃何歳だったんですか?
んー。多分17…なったぐらいですかね。
■ どんな感じのスタートだったんですか?
ガキの頃からずっと仙台の街で遊んでたんで、その流れで当時LIMITEDをオープンするってなった時に、
先輩に手伝えーって言われて…一緒に内装作ったり。でその流れでですかね。
だから、入ったっていうよりかはそこにいたって感じだったような。
■ どんなブランドでスタートしたんですか?
インポート物中心で、SUPREME・STUSSY・RALPH LAUREN・NIKE・NAUTICA・CONVERCEの他に
FATBEATSもやってたし、GIRLやCHOCOLATE・HALF LINE、LOUDとか、
当時まだ日本で知名度の少ない海外アイテムを多数セレクトしてのスタートだったと覚えています。
アメリカやアジア圏をDIGりにいってたんじゃないかな。
■ 最初って社長が「おまえらやってみろ」みたいな感じだったんですか?
んーというか…未知なるブランドがやれるタイミングだったんじゃないでしょうか。
んじゃやっちゃおうかっていう感じで始まっていたんだと思います。
■ どういうスタイルでお店を回していたんですか?
本当に仲間内で回してる感じでしたね。輪の中でっていうか…
あんまり日本じゃないスタイルだったことは確かです。
■ 入れるやつが立つみたいな感じですか?
そうかもね。「んじゃお前土日はいってー」「オッケー」みたいな。
■ SUPREMEってすぐにやり始めたんですか?
すぐだね。っていうかスタートからあったんじゃないかな?
■ それって97?96ですか?
94か95だね。
■ その時の経験って今のお店作りに役立ってますか?
もちろん役立ってます。
■ それは商品とかですか?それともスタイル?
どちらもだけど、スタイルの方が強いね。
■ それはやっぱりスタッフがかっこよかったってことですよね
それは分からないけど、お店全体の雰囲気は今でもかっこよかったなと思います。
自分たちがなにかを発信していこうとかいうのは無かったけど、
”こういうスタイルが”っていうのがアメリカにあったことは確かですね。
…影響を受け、自分たちの新しいスタイルは出来上がっていたと思います。
■ それは意識的に見ていたんですか?
意識的にではないかな。ただかっこいいものが目の中に入ってきただけで。
だから自然と追ったり、知りたかったんですよね。
例えばスケートビデオとかでプッシュしてるやつがかっこよくて、
そいつの着こなしもかっこ良かったり見えるんですよ。
…じゃあ彼らの日常ってどうなんだろう?って。
こいつは普段どんな事してんだろうって気になっちゃったりしてね。どういう遊びしてんのかな?と。
■ それってどうやって情報を得ていったんですか?
当時はスケートビデオだったよね。後はアメリカにいった人の話を聞くしかなかった。だから夢は膨らむよね。
■ ですね。初めてにアメリカに行ったのはいつだったんですか?
20歳くらいかな?プライベートで遊びにね。
■ スタッフとしてかなり長い期間働いてて途中考えのずれとか違和感とかそういうのはなかったですか?
例えば会社の意向とか。
会社の意向っていうのは当初ほとんどなかったです。
あっ、でも70年代からショップを経営してた社長だったので若者やシーンに対しての嗅覚は早いなーと勝手に思ってました。
全部まかせてくれてた。だから思う存分好きな事やってったけど、店を3年、5年、7年ってやってくうちに
売り上げの事を考える比重がどんどん大きくなっていったよね。
ただ好きなことはずっと変わらず追い求めてましたけど。
■ 結局何年くらいですか?働いていたのは。
10年だね。
■ その中で店長やってたのって何年くらいですか?
…8年かな。
■ 長いですねー。その間に色々周りの環境も変わりましたもんね。
そうだね。SUPREMEの代官山ができたりね。リーコンにしろサブウェアにしろ。
それが一気に入ってきてましたよね。
■ LIMITEDってアパレルでしたけど、そうじゃない部分、スタイルを伝えてるって部分が強かったですよね。
今思うと、本当に好きな事ばっかりやってました。店の中でスケートしたり、爆音でDJしたり、絵描いたり、チルしてね。お客さんをお客さんって思ってるんだけど、すぐ友達になっちゃうし。いい意味で緩かったよね。
■ 当時のお客さんはどういった買い物の仕方をしていたんですか?
当時LIMITEDに来てくれるお客さんは頻繁に店に足を運んでくれてチェックしてましたね。
一気に買うのではなく厳選して細かく買ってくお客さんが多かったと思います。
とにかく目が肥えてる人が多かった。
■ でも、当時SUPREMEとかそんなに情報なかったじゃないですか?
けど、そうやって売っていったのってLIMITEDの力ですよね。
インターネットもないし、雑誌とかで特集されてるにしてもそんなに記憶にないし。
そうですね、当時はまだ日本のメディアに露出のないものでしたからね。
後々は売れたけど最初は全然売れませんでした。一時期どうしようって思ったときもあったしね。
だってキャップとか山のようにあったよ。一色で何十個とかあって「これ、どうする?」みたいな。
そしたらある日瞬く間に売れてビックリしたりしてね。
■ ま、売れると楽しいですよね。
でも不思議だったかな。なんでこんなに売れるんだって。
俺らのまわりはNYのストリートシーンにいるスケーターまわりやヒップホップアーティストが着て
遊んでる姿を見て本当好きなものだけ追って着てたんですよね。
そのスタイルが好きで買ってただけで別に名前で買ってたわけじゃないから。
それが一気に名前だけで売れちゃった感じがしたからよりビックリしたよね。
メディアの力ってすごいと思いました(笑)
■ 通販の注文とかもありました?
電話なりやまないときもあったりとかしたね。
■ もう、すごい時代っすよね~
いま思えばもっと売れてもいいブランドが売れなかったのがもったいないよね。
SUPREMEみたいに売れてもいいブランドが他にもいっぱいあったよ。
■ SSURとかもありましたもんね。kinkyもあったし。
あったね。FUCTや、BSFの前のBSGとかいろいろね。
■ 当時は店員兼高校生だったんですよね?朝起きて直で店に行く感じだったんですか?
そんなことないよ~。とりあえず街で遊んで、そのままLIMITEDに寄って、
「今週何日はいれる?」「あ、いいっすよ」「学校大丈夫かー?」みたいなね。
そんなノリでした。
■ MANKEYさんはよくギャラリーの話をされると思うんですが、
それは具体的にどういったものなんですか?
俺がちょうど17.8歳くらいのとき、95年くらいかな…
LIMITEDでギャラリーと言われることをやったんですね、
それはマークゴンザレスやアーロンローズ・トーマスキャンベル・バリーマッギ―を初め
スケートボードを中心としたアメリカの東西でイケてるヤツラの描いた作品の展示、
東海岸のアートブランドの展示でもあったと覚えています。
それは当時でもフレッシュな企画でした。彼らの原画が次々と店に到着し、
今思えばすごいことだよね。
膨大な資料が到着して…それをコピーしたりディスプレーしたりして、
店の中にスケートボードのビデオ流して、酒をだしてみんなで飲みまくって、BONさんがDJしてたりね。
服を全部片付けて、一夜限りのPARTYをしたんですよ。
楽しかったですね、憧れのゴンズやアーロンローズのスケボーに描かれた絵をみてビデオ見て友人たちと
ワイワイ談笑しながら時が過ぎてく。それが自分の言ってるギャラリーの始まりであって…
アメリカではあったんですよねそういうスタイルが、
でも当時仙台で体験できるとは思ってなかったので衝撃は大きかったですね。
■ ではア-ティストの魅力とは?
アーティストと言っても、美術品みたいなものをつくる人達を指すわけではなく、
自分らの好きなストリートで遊びの中のヒーローみたいな人っているじゃないですか、
そんな彼らの遊びの中で生まれたものってなんか魅力をかんじますよね。
だからヒーローじゃなくても自分の好きなことを通してやっていく人達のブレない作品表現は惹かれます。
■ DJはじめたのは何歳くらいなんですか?
15歳。
■ ほぼ、オールジャンルっていうかジャンル別々のパーティってそんなになかったすよね?
みんな一緒だったね。昼パーとか。
■ 人が変わったら音が変わるみたいな。昼パー懐かしいっすね。
そうだね~
■ じゃあ順番的にはLIMITEDの前に音楽を知った?
そうだね。というかクラブばっか行ってた。
■ 音にはノメりこまなかったんですか?
のめりこんだよ、凄く。今でもやってるしね。
特に22,3くらいまではとことんやった。ていうか好きで毎日何時間もヘッドフォンしてきいてたよ。
■ じゃあ実家にはレコードどっさり?
途中から数えてないからわからないけど、たぶんまだ実家にHOUSEが2000枚くらいは
残ってるじゃないかな。
■ 高校の時や20歳のときって何に興味を持って、何をみていましか?
スケート・音楽・クラブ…ストリートカルチャーでした。
■ それは、何歳くらいの事ですか?
16歳かな~。スケートとか色んなジャンル分けがあるでしょ。
そういうジャンルから入ったわけじゃなくて、
たまたま遊んでて「楽しいー」とか「カッケ~」って思ったモノがスケーターだったりしてね。
それで夢中になった。
■ それはスケートビデオからですか?
ビデオもそうだけど、先輩の話かな~。「こうなんだよね~、こんな奴いてさ~」とか。
そんな話聞いているうちに、「やっべ~な~、行って見てー!」みたいな。
あと周りの遊び仲間と話してるうちに自然と深くなっていったね。
しかも、当時日本の雑誌と海外は別モンだった記憶があって、
要は教科書に載ってない事、真実みたいな。そこが本当面白かった。
■ それが例えば17歳だったら、18歳、19歳ってどんどんプラスαの知識が溜まってって、
もっともっと周りの色んなものも知りたくなって広がっていく…。
そうでしたね。
■ 元々そういうスタイルが好きだったんですかね?DJやってたりするのも。
自然とそういう物に惹かれていくってことは。
すごく夢中になっちゃいますね、昔から。キッカケはそれぞれ色々あると思いますが、
なにかのキッカケで自分の中で引っ掛かったりすると、もうダメなんだよね。
自分で体験したい触れたいってなっちゃうんですよ。自然と惹かれていったものなんでしょうかね、
音楽もそうだし全てそう。どんどん服のディティールなんかも気になっていってね。
そうやって広がっていった。
■ そのこだわりとか広がりとかって、買い付けにも影響していくじゃないですか。
自分の目でみたり、体験したいっていう想いがあるから行く訳ですよね?もう何十回も行ってるから、
向こうにバイヤー付けて送ってもらえば、それだけで可能じゃないですか。
自分で行くっていう事は、自分の意識で決めたい!っていう想いが強いからですよね?
それぞれのバイヤーさんでセンスは違うと思うし、
例えばヴィンテージを好きで探せる知識を持ってる人はそのセンスが突起してると思うし。
別に俺にはその突起した所っていうのは無いと思ってるから、
自分の感性を尖らせた結果のスタイルなのかなとは思います。その…空気感っていうか。
実際自分が足を運んで、その空気を感じてカッコイイって思ったものをチョイスする。
それは、自分にしか解んない世界ではあるけど、
店ってツールを使えばうまく共有しあえたりするのかなとも思います。
■ 特定のブランドに狙いを定めて買いに行く事とは違いますよね。
ブランドで買うんではなくてMANKEYさんのセンスで、アドリブを効かせてっていう事ですよね。
あくまで自分でかっこいいと思える物をDIGるんで、ブランドのこだわりはないですね。
■ LIMITEDの時から独立してお店だす計画はしてたわけですよね。
で、2年前にお店をオープンさせて、ぶっちゃけ何年前から構想を考えていたんですか?
何年前からかは覚えてないけど100%自分の好きなようにやりたかったのがきっかけでしょうかね。
俺がやりたいのは、これなんだ!!ていうのが店の中でだせなくなってきたっていうのはありましたね。
■ そのときからブランドとか色々準備してたんですか?
してないしてない、なんもしてないですよ。
■ ただやりたいって感じ?
「何がしたいんだろう?」て考えてて自分の中でうかんできたのが、
名もないブランドを扱ってた時にみんなで働いてた当時のLIMITEDの買い付けスタイルでした。
名前も知られてないブランドに惹かれて自然に店に立つスタイルの中で、
とても新鮮でドープな空間をみんなで作りあげてた思い出があったからね。
■ 独立して下準備する期間てどれぐらいあったんですか?
こういう風にしたいとか、ざっくりとした構想なんか。
やめてからすぐですね。やめるまでは当時働いてた店のことしか考えてなかったから。
基本、葛藤してたけど、この店をいかにかっこよくしていこうとしか考えてなかったし、
やめたときは「あぁ、やめちゃった。どうしようかな~」て感じでそこからどんどん具体化していった。
■ お店を始める前からこういうイメージって出来てたんですか?買付けっていう。
やるんだったら買付けしか頭になかった。
■ なんでですか?
自分の知らない世界が山ほどあったからでしょうか。
日本国内ももちろんたくさんありましたが、まず自分が惹かれていったアメリカで、
しかもアメリカっていうのは触れたことのない独自のカルチャーってものがいっぱいあったんですよね。
それを仙台に持ってきて、自分なりに表現できたら良いなって思ったんです。
■ お店の名前の由来は何なんですか?
来店してきれた方々を店全体で”容どる”・”形彩る”といった意味合いを込めています。
余談ですが、よく「”シャープス”って名前ですか?」と聞かれることが多いんですが
読み方は「シェイプス」なんですよね(笑)
■ “STORE”をつける時とつけない時がありますよね?何か意味があるんですか?
“SHAPES STORE”は店の名前です。
“SHAPES”は店でオリジナルプロダクトを展開していく上での名称になりますね。
■ そのオリジナルプロダクト、デザインも自分で制作していますが、
もともと絵やデザイン的なことは好きだったんですか?オリジナルを作る上でのテーマはあるんですか?
小さい頃から絵が好きだったり、なにかを作ることは率先してやってたね。
親父が宮大工だったからよく神社・仏閣につれていかれてね。
伝統工芸やなにかを創造するというところに自然と興味を持ち始めていたんじゃないかな。
いまは「SHAPES」という形で、自分の表現したいメッセージであったりディテ―ルであったりと
じっくり楽しみながら制作していますね。
なのでテーマというものは毎回勝手に作っちゃてる感じかな、自分自身で。
■ アパレルの密集地とは離れたところにお店を出しましたよね?
これにもなにか思うところがあったんですか?
のんびりやりたいというのはあったかな。
今いる場所は仙台下町のローカルであったことも気に入ったし、
なによりこのイナたいSTREETで店をだせるというのは個人的に贅沢でもありましたし。
■ 実際、以前居たLIMITEDと比べると人の流れとかほとんどないじゃないですか。
経営していく上で不安はなかったんですか?
不安というのは特に感じてませんでした。
■ それはある程度下調べをしていたからですか?
それとも何か違う意味で自信があった?
下調べはしなくてもちょっとSTREET覗けば人っ気がないというのは一目瞭然でしたからね。
人通りの多い場所に店を新たに出すということに若干抵抗があったのはありましたね。
■ お店だけじゃなく、そのSTREET自体を作り上げたかったみたいな事ですかね?
今までメインストリーム的な場所でやってたから、最初はなにもなかったところなんだけどね…
だからまた一から作り上げるという意味合いで少し中心から離れた場所を選んだ部分も多少あるかな。
■ 最初に買付け行ったのって何処でしたっけ?
アメリカ西海岸です。
■ 買付けに必要なモノって何ですか?
運とマネーでしょうか。(笑)運は実際大切なことだよ。出逢いもそうだし、
物に対してのタイミングなんかもそうだしね。
■ 服以外にアート本・グラフィック本・ZINEなどを多く取り扱っていますが
それはどういった流れのなかで?
自然と繋がっていくわけなんですかね、まっ単純に自分が見たり読んだりしたいものを置いてるだけかな。
■ DIGにおいて一番大切だと思うことはなんですか?
なんだろうね…好きなことを貫き通すことかな。こういう時代だし色々な情報が溢れるなかで
自分自身のチョイスと価値観はとても大切な部分かなとは思います。
■ 危険な所もたくさん行ってるんですよね。
危険って言われてた所や知らずして入り込んでしまったところは多々ありますね。
■ 大体は観光名所的な所ではないですよね。
観光名所だったら最高なロケーションだけどね(笑)
■ 1日でどの位移動するんですか?
例えばだけど、一日で仙台=東京を1往復分の車移動くらいは普通にしたりね。
■ 時間の使い方などはどうですか?
1日1日がほんと早い。最初は酷かった。1軒の店に何時間も居たりしてね、今思えば考えられないですよ。
だから時間決めないといけないっていうのも学んだね。
この店は何分でDIG、何分で出て、移動で何分、次の店は何分で…的確にDIGらないと回れない。
そこは意識してるかな。
■ 最初の頃と最近の買付けの基本的なやり方って変わりました?
どんどん自分の中でDIGる場所は増えていってますね。その分毎回厳選してDIGろうとは思ってますかね。
■ モノ見た瞬間誰かの顔浮かんだりします?
します。この人だったら…って。つい考えちゃうかな。
■ 買い付けに行くのは3ヶ月に1回ですよね。それは変わらない?
そうだね~。ん~何かいい方法無い?笑
■ だいたい向こうもショップが閉まるのは20時くらいなんですか?
街によるね。ダウンタウンなんかは早いし。ちょっと賑やかなところだったら全然遅いし、22時とかね。
■ その後って何やってるんですか?いろいろあると思うんですけど。
う~ん、飯食って….
■ もうクタクタで寝ちゃうのか?
商品整理してるか、段ボール詰めをしたり、日本に送る商品のインボイスっていうのを書いたり、
チェックしたり….あと、試着してるよね(笑)。風呂場の鏡とかで、全裸で…これヤベーって。
お~良いね~シルエット!とか言って。一人で上がってますよ。
■ 一ヶ月まるまる大変ですよね。買い付け行って戻ってきたらすぐ店出ししてみたいな感じで。
二週間行って一週間店に缶詰みたいな。
例えば、他のバイヤーさんは分からないけど、買い付け終わったらその日に整理すると思うんですね。
俺の場合はすぐ遊び行っちゃうから。あっちの仲間とね。だからきついよ、ある意味ハードです。
遊び行ってしっかりパッキングしてだから。
俺よく生きてんな~みたいなアブない感じになっちゃう時もありますよ。
■ ちなみに向こうに行ったときの基本睡眠時間は?
日によって違うけど、平均すると3時間から4時間くらいだと思います。
■ よくそれで体力持ちますよね。
いや、持たないよね(笑)
■ 一同爆笑。ぶっちゃけ楽しいですか?買い付けって。
その質問は難しいなぁ、買い付けしてるときは楽しまなきゃいい発見はないと思う。
ただDIGしてるときは目が血走ってるかもしれないけど。
■ 買い付け中、まあ体力的には楽しくないですよね?
自分のヤベーっていうアンテナに引っ掛かったものを探す旅だから。
まあ面白いんだろうけど、ハードだね。
■ やっぱりより安く?
それがモットーだけど、それよりもより良いもの・ドープなものを集めたいといった感覚ですかね。
■ 良いものをより安く?
そうだね。それでみんな潤えばいいかなと!俺らも、買う人も。それで広がれば、というのはあるね。
■ 買い付けの行く時の楽しみってありますか?例えばいろんな人に会ったりとかもできるし。
そこは楽しいところだね。海外の方々とリンクアップすると知らない世界を見れますからね。
■ そういうのも前もって決めて行ったりするんですか?
決めて行く場合もあるよ。でも半分は決めてかない。
タイミングとか…俺は多分すごい強運なのかもしれないっていう出会いや出来事は毎回確実にあるんですよ。
■ そうそう会えないですよねQ-Tipには。
事前にNYの仲間から聞いてました、TIPは本当に紳士な人でしたね。
おれがあげたTEE-SHIRTSの話もしてくれて「ここはクロスブロンクスだね」って言われた時は
素直にうれしかったですよ。本当に謙虚でいい人でした。
■ 今アメリカで一番行きたい都市ってどこですか?
マイアミあたりでしょうか。
■ あったかそう!(笑)マイアミはマイアミでまた違うっぽいですよね。都会っぽくて暖かいって。
あと、中央ら辺は行ってみたいかな。
■ 中央部のシーンって分からないだけなんですかね?
シーンが取り上げられないっていうのは日本が取り上げようとしてないだけじゃないかな?
聞くとやっぱりどこの地域にもシーンはあるからね。
■ ちょっとずれるかもしれませんが、アジア圏やヨーロッパ圏のカルチャーにも興味はありますか?
ヨーロッパ・・・グラフィックやスケートカルチャー、古着で気になる部分が多いです。
アジア圏は全般で徘徊してみたいですね。
■ 飛行機では寝る方ですか?
もう爆睡!だけどあっちに到着してからの車の運転はヤバい。もう眠くて常にフラフラだから。
本当俺よく生きてると思う。
■ 例えば向こうで日本のどっかのバイヤーさんとかと会って、あ~どうも、みたいなのってあるんですか?
いや~ないね(笑)。ひたすらDIGってるからね。
見てるのは物と街を歩いてるヘッズの…黒人だったりスケーターだったりのシーンのスタイルを見てるだけ。
あとはそのストリートの空気感。
■ こういう風にしたいなっていうお店のイメージがあって始めて、
それって今見て、ある程度消化されてますか?その時思った感じっていうのは。
まだまだこれからですが、思ったとおりの方向に進んでると思います。
次の目標っていうか、進化はしていきたいですね。日々精進を忘れずにがんばります。
■ LIMITEDの時ってストリートブランドが色々あってっていうショップだったじゃないですか。
でも今Deadlineはありますけど、SHAPESではレギュラー商品を中心にお店作りをしているじゃないですか。
それは何か意図としてやっているんですか?
本当に今好きなモノがお店にあるだけ。服屋なんだけ ど、
自分が色々体験したり経験した部分をみんなに発信する方法として地元の一角で服屋をやってますみたいな。
カルチャーで形作られた物が凄い好きだからね。
■ 言葉にするのは難しいんですけど、頭の中に多分シーンの切り取りとかで、
こういうのかっこいい、ああいうのいいな、例えば映画のワンシーンであったり、
ニューヨークの何気ない日常の風景だったり、
まぁ、どういう所がかっこいいってMANKEYさんが思うか分かんないですけど
多分そういうシーンが頭にあって、そういうモノを服を通して伝えたい。みたいな。
そうかもしれないね。
■ そういうのに共感してくれたお客さんとかと一緒にプライベートも含め共有出来るみたいな感じですか?
そうだね。見て、感じて、体験した事の中で選んだ物にはやはり自信がありますね。
それをみんなでかっこ良く着て、ストリートでがんがん遊んでもらえれば嬉しいですし。
それでみんなと服以外の話もしたりして自分たちのスタイルって作り上げられるじゃないかなと。
その先に仙台のココから何か新しいスタイルやカルチャーが出来上がるかもしれないですよね。それが理想でしょうか。
日本だと雑誌とかの影響がすごく強いと思うんですよ。
でもあれはいい意味で「こういうのもあるよ」だけで終わっちゃう可能性が高いスタイル。
表向きしか分かんない部分でもあるかなと。インターネットもそうかもしれませんね・・・
店に来て服を買うのとインターネットで服を買うのとでは180度変わるから。インターネットは一つの手段。
お店も一つの手段。ただお店に 足を運んでもらえれば服を見るのにまた違った楽しさや発見を感じれるかもしれませんよ
っていうのは個人的に強く思います。
■ 自分のお店をもって発信してる側じゃないですか。
発信している以上は見てほしいしとか知ってほしいとかあるじゃないですか。その対象ってどこあるんですか?
今店に通ってくれている仙台のみんなやSHAPESまわりの仲間達・先輩と一緒にこれからも
好きなことを共有していきたいし、こういうカルチャーやスタイルが好きな人はもちろんのこと、
少しでも興味がある方がいれば是非気軽にお店に足を運んでいただければと。
■ じゃ~、ドアはいつでもオープンな状態ですよね。
もちろん。俺は物事を押し付けるのが好きじゃないんでね、こういうスタイルはこうだ!!
みたいなのは嫌だしね。お店で服やアメリカの話や地元の話とかしていく中で自然と共感してもらえるような
ローカルショップ、そしてバイヤーでいたいですね。
■ ネット全盛の今、お客さんに「求めたいもの」ってなにかありますか?
求めたいものはないです。
店で服を選ぶことの楽しさや新たな発見に触れていただきたいというのはありますね。
■ 客観的に見て「仙台のストリート」の印象は?
大きな質問なのであれだけど、クリエイティブでいて個々のセンスに突起した職人気質の方々が
本当にたくさん活動してると思います。そのSTREETで生活してることを誇りに思うし、
自分自身も切磋琢磨していきたいですね。
■ そろそろ時間です、夢は?
夢というか、海外のDIGもそうだけど”SHAPES”のプロダクトをより一層力を入れて取り組んでいきたい
ということでしょうか。この先もブレずにひたすら前進していきたいかな。
■ ありがとうございました。
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