GAGLE / ISSUE01

Date : 2006.08
Common Magazine issue01

HUMANREPORT × GAGLE

GAGLE PROFILE

ISSUE01 DETAILS


■ よろしくお願いします!

GAGLE よろしくお願いします。

■ ではまず、ストリートカルチャーについてなんですが、HIPHOP、ファッション、スケート、アート等まだ仙台と東京では温度差があると思うんですがどう感じますか?

Mitsu The Beats(以下M.T.B)最初からずいぶん突っ込んだ話するなぁ~!

■ すいません(笑)。

M.T.B 自己紹介とかしなくてイイの?(笑)いきなり中盤ぐらいの話だけど!!

■ いや~、すいません慣れてなくて(笑)。

M.T.B いや、いつもと違う感じで全然イイよ(笑)
Hunger(以下H)う~んどうだろうね。純粋に進んでるっていうか東京の人は『なにかやってそう!』っていう人が多いよね!それか良いのかどうかは分からないけど、でも格好っていうか外見も大事だしね。

■ 外から入ってるかもしれないけど、絶対数が多い?

H そう!純粋に感心を持ってくれる人が多いよね!でも仙台も最近色々なショップが出来てきてみんなオシャレになってきたよね。
Mu-R(以下M)俺もなんかイケてんのかな~?東京で?みたいな(笑)。
M.T.B 俺はファッションとか分からないけど音楽的な面で言えば全然仙台とか東北もイケてるよね!俺らの音楽は!東京は全体のパーセンテージが多いからもちろんJAZZY SPORTが一生懸命やってるけど、やっぱりメインストリームな音楽が多くて、まだちっちゃい感じがするけど、仙台、東北では結構メインっていうか全然対等にイベントもできてるし、言っちゃえばその土地で良い面もあるし悪い面もあるから、温度差は全然感じて無いかな。昔は東京が最新だったけど、今は良い温度差があるんじゃないかな。
H 俺らはツアーとかで色々な土地に行ってるから分かるんだけど、その土地に住んでやってると分からないこともあるんじゃないかな?例えば仙台に俺の友達で凄いやつがいて、本当に実力があるんだけど仙台のクラブでやってるからお客さんとかもあまりに近くに居すぎて分からなかったりとか、でも仙台や東北って実はすごい良いものを発信してると思う。

■ 仙台からクオリティーの高いものをって意識が大切だったりしますよね。

H そう! 俺らは全然良いものを発信している自信があるよね。仙台でやってると仙台のアーティストって見られてしょうがないし、見られるべきなんだけど、でもそこはレベルの高いものやってるよって意識をもって発信してる。

■ そこはすごい理想的なことですよね。

H でもやっぱり、どうしても東京で認められてフィードバックして仙台に来ないとまだ受け入れられない匂いっていうか、そういう気持ちがみんなの中にあるんじゃないかな? 俺の気持ちの中では「仙台のものでも凄いんだ」とかそういう意識をみんなに持ってもらいたくて今は動いてるかな。
M あと東京の人は音を知ってる人が多いかな!DJしてて一般の音楽を知ってる率が多い。

■ やっぱりそれは音楽に限らず、スケートやBMXだったりストリートモノは知ってる人が多いですよね!

H 絶対数が多いからね! 単純に人が10倍以上いる訳だからね
M お店も多いからね。
M.T.B そこもあるよね! 仙台のお店は今危機に陥っているよね。ワイルドスタイルとかは変わらずやってるけど、レコード屋だけってワケじゃ無いけど、レコード屋に限って言えば、新譜を入れる限界があるワケだし、何十人も何百人も毎日買っていくワケでは無いし。Diskも縮小しちゃったし、新譜とか東京では買えるけど、なんか昔に戻ちゃった感じがする。 やっぱりそこは温度差って意味では感じるかな。 今はインターネットで色々買えちゃうけど俺はやっぱりお店に行って盤で試聴して買いたいし、ジャケットが格好イイから買っちゃうみたいな、やっぱり自分の目で見て買いたいかな。 それに買ってすぐ家に帰って聴きたいし、それが出来ないのがすごい辛いな。
H 今しか買えないっていうのが無くなってネットで買えちゃうからね。
M.T.B 元からそうだったら皆そういう意識でいてネットで買えばイイけど、例えば海外の田舎町とかにツアーで行くと当然新譜が入ってこないから世界中のネットでショッピングするっていうのが当たり前で当然だろって感じなんだけど、それが当たり前ならイイんだけどあったのが無くなるとスゴいダメージが大きい。

■ 音楽的な面で温度差を感じないっていうのはスゴい意外でしたね。

M.T.B 音楽に関してはそんなに感じてないね。
M メインストリームとかも仙台は他の地方に比べて全然見劣りしてる感じはないよ。

■ では次の質問に、現在の日本のHIPHOPシーンをどう見えていますか?

M う~ん、HIPHOPは……まぁ途中で色々な方向に行ったでしょ?そこで俺等のやってるHIPHOPは絶対数の少ないモノをやってて、俺とかMitsuさんとかはアングラHIPHOPってあんまり好きじゃなくて、HIPHOPをやってるって意識でいて、ツアーを回ってみて俺等の好きな音楽はあんまり広まって無かったな……って感じで、メインストリームの音楽は広まってるんじゃないかな。

■ マーケット的には広まってると?

M うん。それで、そこからどう広めていこうかって感じ。
H 色々な所でアンチっていうのが広まってて、俺等みたいなのはアンダーグラウンドで叩かれたりもするし、メインストリームでやってる人はアメリカのモノ真似だ!って叩かれたりもするし、なんか今は叩かれまくってるなって思うな。小さなところで!なんかそういうところをイイ方向に持っていけないかな?って思ってる。 もっともっと広くてもイイなって思ってるかな、俺は。
M.T.B 日本のHIPHOPしか知らない人が多い気はするね。若いコとかは歴史とかはあんまり知らないんじゃないかな? 日本独特のドラムとかあんまり気にしない音とか、簡単に作れちゃうトラックでそのチープさがイイっていうのもあるけどちょっと違うなって思う。
H 雰囲気が格好イイっていうのは、いっぱいあるんだけど、一発聴いてズバっと「これ格好イイな!!」っていうのがあんまりないよね。出す作品としてそういう雰囲気じゃなくて、ズバっとくるようなのがあって欲しいな。

■ そういう状況があって、仙台でマーケットを大きくするにはどうすれば良いか聞かせてください。

H これからの話で言えば、テレビとかラジオとかメディアを使ってもっと積極的にアピールしていかなきゃいけないんじゃないかな。 仙台のテレビってやっぱり、そんなに協力的じゃないか、それか知らないかどっちかで、俺らが作品を出した時に、『じゃ、テレビで紹介をお願いします』とか言っても、『やっぱりお金が無いとウチとしては、宣伝できません。』とか、それで終わりになっちゃう。 それだけハードルが高くて壊せない壁だったんだけど、秋に大きなイベントをやるんだけど、それで風穴を開けれるんだったら、多分どんどん良い繋がりが出来るんじゃないかな? やってることは自信があるから、1回通ればそこから繋がるんじゃないかな。
M.T.B ラジオは昔から俺等の作品にスゴい協力的だね。
H そうだね。
M 実際、秋田とか福島とかでも俺等出てるからね。 地元じゃないトコロでも。
H やっぱり知ってもらいたいよね。 でもそれは、認められるまでやり続けないとどうしても難しいかな

■ 今までどんなものに、インスパイアされてとか、イメージしてるものはありますか? この作品があるから今の俺がいる!!みたいな。

H 言えない!!(笑)
M.T.B でも、MCは秘密の方が面白いと思うな(笑)。そこは俺等が答えようかな。 でも常に自分らしさだよね二人とも……、そんなにインスパイアされてとか、俺達は強烈に何かに影響されてとかはないかな。まぁトラック作りに関しては、最初は自分自身ですごい作ってて、誰の真似もしてなかったけど、途中からはJ DILLAとかPete Rockとかに憧れてた時はある。あの音を出すためにはどう出すんだろうとか、みんなに色々聞いたりとかして勉強をしてそれを完全に真似るんじゃなくて、どうやったら自分の色が出るかなって考えて作ってた。 やっぱり真似して作ったのもいっぱいあるけどね。インスパイアっていうか、元は俺等が大好きなHIPHOPから受けてるモノは絶対あるよね。今でもそれは変わらずにね。
俺達って今でも別にメジャーなHIPHOPでも良いのがあればかけるっていうか、例えばSNOOPとかもかけるし、電子音とかでもガンガンプレイするけど、根本はそこにあるって感じでね、常にそういう精神はある。やっぱりサンプリングHIPHOPでしょ!

■ いや~良い話でした!

H 良い話だった(笑)!? 俺は当たり前に聞いてたけど(笑)!! 俺も言った方が良いかな? 意地悪キャラになってない?
M.T.B MCは明かさない方が良いでしょ!
H じゃー毎朝食べてるホットドックの話でも!!

■ 毎朝ホットドックなんですか? 市販のやつで? それとも作って?

H いや~作って!! 必ずソーセージを常備してて、あとレタス!! パンの長くて真ん中だけ切ってあるやつを買ってきてね(笑)。それが俺の毎朝のインスパイアかな(笑)!

■ 作品を作っていく上で、人の目を気にしながら作ってますか?

H それは気にしてないって言いたいけど、気にしてることは気にしてるよ。ただ最終的には気にしてないっていう感じで、作るって作業に入ってしまえば気にしないかな。

■ 書きながら『この言葉で大丈夫かな?』とかも無いですか?

H 客観的にって意味では気にして作ってるよ。『この言葉ならこういうニュアンスかな……』、とか『この言葉の方がグサってくるかな……』、とかは全然あるけど、『この言葉使っちゃうと、あの人がああ言うなぁ~』とかはあんまり考えない。ただ伝わるニュアンスは凄い考える。
M.T.B 俺は曲作りする時は、そういう風に質問されるとモノ凄い気にしてるのが、この二人の反応だけ!この二人のハードルが凄い高いから、それをクリア出来るのを渡さないと、渡す時にドキドキするっていうか……聴かせる時に『このレベルじゃ……』ってトラックがいっぱいあってその中で、『このトラックなら面白いのが出来るんじゃないかな!』って曲を渡す。だから俺は常に曲作る時はこの二人を意識して他の人のことは全然気にしてない。

■ お互いがもう間違いないなって自信があるから?

M.T.B そう!他のグループだったら、例えば違うジャンルが好きで全然違う方向から集まったグループっていっぱいあると思うんだけど、俺達って意識してる訳じゃなくて、好きなところが似てるっていうか、まぁ枝分かれはするにしろ根本的なところは似てるし、この二人が『コレは格好良いよ!』っていうのは、本当に格好良いと思えるのを言ってくるし、そういった意味で信頼できる。俺が自身が無いのを聴かせると、『コレはまぁまぁ…』みたいな評価が返ってきて、『あぁやっぱり』みたいな(笑)。
M あとは、Jazzy Sportの人とかは気にするかな。
M.T.B DJに関しては、もうちょっと広い。 それをお客さんとかもだしね。

■ メインストリームを気にしてるとかは、もう全然ない感じですよね?

H うん! もうこの二人のハードルがかなり高いし、Jazzy Sportもそうだし、やっぱり驚かせたいっていう気持ちが大きいかな。
M.T.B そうだよね、『こんなのが出来たよ!!』みたいな!
M みんなで、『OK!!』って言って、送りだしたい。
H やっぱり、一般の人を驚かせたいと思ったら耳の慣れてる人を驚かすっていうのが一番近道で、それを出来なければ広がっていかないような気がする。

■ M.T.B それが一番難しいんだけどね。

H そうだよね。やっぱり慣れた関係っていうのが一番驚きにくいから。
M.T.B あっ来た!ウィンナーコーヒー!!

■ うぁ!!!! スゲー旨そう!!!!

M.T.B ココのウィンナーコーヒーマジで旨いから!このクリームがスゴいから!
H これ飲んだ時点でMitsu The ウィンナーになるんだよね(笑)!!

■ 一同爆笑wwwwww

M.T.B じゃーみんな飲みながら!!

■ スゲー旨い!!!!

M.T.B でしょ!! ここから俺Mitsu The ウィンナーで(笑)!!

 

 

■ では、そろそろ次の質問に。作品を作る上で完成の基準はありますか?

Mitsu The ウィンナー(以下M.T.ウ) まぁ、俺がトラックを作って、Hungerがそれをどう処理していくか、それで乗せてアイデアがあれば、音を足す。それで完成と思えば完成みたいな(笑)。でもシンプルに格好良いのが好きだから、あんまり音を足すことはしないけど、前はウルサすぎるのもあったけど、最近のはシンプルにドラムとベースとウワモノでOKで、音に対する完成はコレ以上足してもしょうがないっていうか、もっと減らしても大丈夫だったら減らすし。引きの美学みたいな。むしろ減らした方が良い!!
M レコーディングしてる時から格好良いってなりますよね。
H 一言で言うと、そうだよね!
M.T.ウ みんなで、格好良いって言えば完成だね!
H でも基本的に、レコーディング・ミックス・マスタリングって作業があってアルバムだったりシングルが出来るんだけど、レコーディングって状態はトラックがあって俺が声を吹き込んでる状態で、ミックスっていうのは俺の声を曲の雰囲気にあわせていく。トラックもそうだし。マスタリングっていうのは最終的にバシっとCDっぽく、音を閉じ込める作業なんだけど……
M.T.ウ お前なんか違うよそれ(笑)!! 今聞いてるのはそうじゃなくて、俺達が作る曲が自分の中でどうなったら、『完成!!』になるかってことだよ(笑)!! 流れを言ってどーすんの(笑)!!

■ 一同爆笑wwwwww

H あっ!! そうか(笑)!! 完成までのあらすじってワケじゃなくて(笑)!!
M.T.ウ それ、誰に聞いても同じジャン(笑)!! 例えば『リリックが……』とか、そういうことだよ!
H それかー!! やっぱり自分が納得した位置だよね。宿題と一緒じゃないかな!? 時間があればそれだけ考えるし、時間が無ければそれはそれで踏切りがつくし……。でもやっぱり自分が納得しなければダメかな!!
M そこは俺等二人は分からないところでもありますよね! 俺等がイイと思ってても、Hungerさんが『ダメ』っていえばダメだし。

■ あって無いようなモノってことですかね?

M.T.ウ もう良いって思えば良いし。
H ドコで線が切れるかってこともある。本当に半年かけて作っても、1週間でとか、1日で出来た曲の方が良いって言われるコトもあるし。
M.T.ウ 実際今回のアルバムに1曲入ってるしね。
H もうフリースタイルで、リリックを書かないでその場の雰囲気で録った曲とかも、好きって言われるし。何が良い曲なのか……本当に……(笑)!!

■ 一同爆笑wwwwww

H 自分の中で基準があってそれを越えないといけないっていうのはあるね。フリースタイルでもなんでもね。

■ 曲の完成って意味で、CDがお店に並んで完成ですか?それともライブでお客さんに披露して完成?

H 俺はそういう意味だと、完成しきれない。やっぱりCDが出たら嬉しいし、ライブもね、ずっと続いて行く訳で、ツアーを回ってその曲を消化したかと言われれば意外と消化出来なかったりもする。
M 曲もだんだん変わってきますよね。
M.T.ウ そう!ツアーを回って行くと、良くなっていく!本当に完璧に納得したものがレコーディングの時に録れるってことは出来ないと思う。 ライブでこなれてきてだんだん完成に近付いていくコトの方が多いかな。

■ もしかして、ツアーを回って帰ってきてもう一度アルバム作ったら?

H 分からない(笑)。それやったこと無いから分からないけど、やってみたら凄いだろうなっていうのは常にあって、今『雪ノ革命』とか録り直したら凄い曲になるんじゃないかなっとか!!でも実際そんなにでも……みたいな(笑)。その時はその時の空気感でやってるから、その時思っことを書いてるし。
M.T.ウ たまに話すよね!『雪ノ革命』もドラムとかも納得いかないし……ベースも入ってないし……やり直したいって、でもアレはアレがウケたんだからそれを今さら作り直しても、別に何とも思われないっていうか、それがどれだけ完成度が高くてもしょうがないっていうか。
H 何年後とかに企画としてやるんだったら楽しみ。

■ 自分達でリミックスしてみたいな。

M.T.ウ でも、それをやってその曲が完成っていわれたら完成じゃないし(笑)。

■ 一同爆笑wwwwww

GAGLE ない!ない!(笑)
H どうしても消化しきれないところはあるから。みんなの手に届いて聴いてもらっても消化しきれてる感じもしないし。もうそこは常に続いていくとこだよね。
M.T.ウ ずーと続いていくよね。
H 『この作品が出来たから次はこれをしてみよう』みたいな方が強いから。

■ 向上心がずっとあるウチは日々変わっていくものですよね。

M.T.ウ 『BIG BANG THEORY』を納得して作ったけど、コレぐらい時間が経つともっと良いモノができるなぁって思ったり、その時は自分達を『よくやった!!』って褒めてあげたけど、でもそれで完璧に理想の全部を出来たワケではないし、それが無くなったら終わりじゃないかな。まだまだやりたいコトはいっぱいあるし。

■ 次に進みたいから出すって感覚ですよね。

M.T.ウ 現時点でのやりたいことをまとめた感じ。
H やりたいことがない状態っていうのは不幸なことだよね。

■ 最近多いですもんね、ニート問題!!

H そーだね(笑)。でもみんな本当は何かやりたがってると思う。

■ やっぱりみんな見つからないんですかね?

M.T.ウ それは色々な形があるよね。夢を抱いてる人もいっぱいいるし、夢も無いしサラリーマンもやりたく無いって人もいるし。海外に行って一番ビックリしたのは、実家で暮らす若い人がいない!ヨーロッパは絶対20歳くらいになったら1人暮らしをしてる。実家でくらしてるっていったら『えっマジでダッセー』って言われるよ。日本じゃ当たり前って言ったらビックリしてて、ヨーロッパでは本当に親離れするのが当たり前でみんなそれぞれ1人暮らししてる。日本は多いよね。ニート問題は長くなりそうだからこのへんで(笑)

 

 

■ では、GAGLEさんの目指す将来の形を聞かせてください。

H.「将来的な目標はスクラム……じゃない(笑)。なんで、スクラムなんだ(笑)。

■ 一同爆笑wwwwww

H やっぱりスタジオをなんとかして作りたい!仙台にもスタジオはもちろん何ヶ所かあるけど、システム的にHIPHOPは出来ない。やっぱりエンジニアさんもROCKの人が多いし、バンドしかうまく反映出来てないかな。
M.T.ウ スタジオ自体があればなんとか出来るけど、長年HIPHOPにたずさわってきたような人が仙台にいればね。
H やっぱりHIPHOPは歴史が浅いから日本においては、だから今の40歳、50歳くらいの人でエンジニアをやれる人で、HIPHOPを忠実に再現するって人は、例えば俺達がCDを渡して『コレに近付けてください!』っていうのは可能なのかもしれないけど。
M.T.ウ でもそれは、そういうHIPHOPのちゃんとMIXを後ろで見て育ってないと分からないこともあるし。独特のやり方がMIXにはあるし。
M レコーディングだけでも仙台で出来ればだいぶ違うと思うし。
H それすら今は満足に出来てないって環境で……っていうのはやっぱり悔しいし、誰もやらないなら、自分達が頑張ってやるしかない。
M あとはレコ屋だね!
H そーだね!なんか俺等くらいの世代がこれからのカルチャーを作っていければ良いなって思う。俺達もサポートしてもらいたいし、サポートしてあげたいし。そういう環境をどんどん作っていければ良いな!何か1つ壁がある気がするから。
M.T.ウ なんか5年くらい前は『こういう風になれば良いな!!』って思ってたけど今は、『俺達がやらないとダメなんじゃないかな!?』って、俺達がこれだけ培ってきたものをせっかくだから反映できるんだったらしていきたい。本当に仙台にいるどの人よりもスタジオ経験とか見てきたものが多い分フィードバックしないともったいないし。
M 次に繋がらないし、繋げていきたいし。
H そのためには色々勉強していかなきゃいけないんだけど。スタジオってすごい難しいから。
M.T.ウ そういった意味でも東京に良いアドバイザー的な人もいっぱいいるし、実際繋がりはいっぱいあるから大事にしていければ良いかな。
H 最終的にはスタジオを作ったりもしたいけど、あとはもっとドンドン出ないとね。顔を色々なところに出していきたい。
M.T.ウ そういうトコロは意識してるよね。目標はオリコン1位だよね(笑)!!

■ 一同爆笑wwwwww

M.T.ウ 今の音楽のままオリコンに!!まぁ絶対ムリなんだけどね。でも違うやり方があるんじゃないかなって!!
H 今の力じゃ無理なんだけど、ただお互いにもっともっと高めあって多分やれる場所があるはずで、それを今真剣に考えてる。
M.T.ウ アイデア勝負ってとこもある。もう音楽的なスキルっていうよりも、あとはどうしていくかみたいなところに重点を置いていく必要もあるし、スキルをもっともっと追求していく必要もある。
H もっともっと分かりやすくね。もうみんなRAPを聞き飽きた頃じゃないかな?同じようなのは聞き飽きてきてると思ってるから逆にチャンスだと思う。そこに突っ込みたい。
M.T.ウ でも、現実的に考えてるのは次の作品を良いモノにしようって思ってるだけ。それを続けていれば何とかなるんじゃないかな。

■ 次のアルバムの予定などは決まってますか?

M.T.ウ 一応来年かな?来年のあたまにでもって考えてる。今のところ新しい新曲を1曲か2曲作ってコンパイルして、その後にGAGLEとしてアルバムを出す。そのへんは曖昧だけど、とにかくコロンビアからもう1枚は出す。
H JAZZY SPORT関係からコンピとか出すかもしれないし、あとHIFANAとかDJ KENTAROとかとアルバム出すかもしれないし、でもやっぱりこれからその話もしてるところで分からないんだけど。10月のイベントまでに目玉になるような曲を1発打っていこうかな!?それでイベントを成功させたいかな。
M 夏にライブも入ってるしね。なんだかんだやっていきますよ!
H 俺の中では新たな気持ちになってるかな。結構色々なことやってきたから、最近ラッパーとしても再出発って気持ちになってるから。

■ GAGLE的にも再出発って感じに?

H うん。ツアーで吹っ切ったところもあるから。
M 取りあえず完結したからね。ツアーで。
H 結構ベーシックなアルバムだったから、『BIG BANG THEORY』が、だから次からは色々な遊びが出来るかな?それを踏まえた。

■ 僕らから見ると、良い意味で力が抜けていて自然体に見えるんですが、意識して自然体でいますか?

H すごい質問だね~(笑)。そこはどうしようかな?って思ってる、普段着すぎてもね(笑)。

■ 一同爆笑wwwwww

H でもメリハリはしっかり気をつけてる。曲やるときは『ピシッ』っとやることやって、抜くとこは抜いてライブに限っていえばそうだね。俺は。
M.T.ウ 俺達がファッション性の高い音楽をやってるワケではないから、メインストリームってやっぱりギラギラして見た目から人の上を行って、ジャケとかもスゲーキラキラしてって感じだけど、俺達は音楽も違うし格好良いに越したコトはないけど自然体でやってる音楽っていうか普通にやってる音楽をただ出してるっていうのが変わらないから、もちろんプラスαで格好よくしたほうが良いんだけど、でもみんなそれで良いって言ってくれてるからいいかな。でもちゃんと良い作品を出してればみんな認めてくれるし、別にそこにこだわってはない。
H やっぱり人生なんでも経験した方が良いから、俺もそろそろギラギラしてみようかな?

■ 一同爆笑wwwwww

M.T.ウ Hungerはやってもそれはそれで良いのかもね。

■ もうスタイルを確立してるからですよね?

M.T.ウ 俺達は絶対しないけど(笑)。Hungerは逆に面白さ的に使ってやっても良いし、アイテムとして。でもそれも自然みたいな。みんながGAGLEがこんな感じって分かってもらってるから。

■ では、最後の質問です。GAGLEのメンバー同士で、お互いの長所と短所をお話して頂きたいんですが。

H そうだな~兄貴に関しては、電話が長い!!

■ 一同爆笑wwwwww

H Mu-Rは電話をかけるといつも寝てる!!

■ 一同爆笑wwwwww

M.T.ウ なぜか寝起きが多い!!

■ 一同爆笑wwwwww
M.T.ウ.「Hungerの短所は忘れ物が多い。

■ 一同爆笑wwwwww

M.T.ウ 7割家に戻ってくるよ(笑)!!

■ 意外と大事なモノを忘れる感じですよね?

H そう!!買ったばっかりのとか!!あと新幹線の忘れ物窓口みたいなところにスゲー何回も行ってる(笑)!!

■ 一同爆笑wwwwww

M.T.ウ Mu-Rの長所は時間にいつもキッチリしてる。今日ちょっと遅れたのスゲー珍しい。必ず5分前だもんね。
M 新幹線とか遅れるの恐いですよ(笑)。遠出だと恐いから遅れるの(笑)。
M.T.ウ Hungerの良いところは、GAGLEの色を考えてる。例えばインタビューをやるってなって、ビデオ送って下さいってなっても構成とか考えてやってるし、俺とかはもう面倒くさくて、どうでもイイって感じなんだけど、Hungerがちゃんと考えてくれるからGAGLEの色がちゃんとでる。写真の構成とかもどう撮ったら良いとか、遊びを入れていったりとかもね。

■ ビジュアル的な面ではHungerさんが?

M.T.ウ そう!こういう風に見せたら良いんじゃないか?とか言わないけど考えてくれているから。そういう意味では俺はGAGLEの役に立ったことはしてない(笑)!

■ 一同爆笑wwwwww

H 大目付的な存在だから俺等は堅くなってる時に『ホゲェ』ってしてる感じで、マスコット的に安心できるみたいな(笑)!!
M.T.ウ 最近気が付いたのが、ライブの練習は俺が居ても居なくてもあんまり変わらない(笑)!!
H むしろ居ない方が良い(笑)!!

■ 一同爆笑wwwwww

M.T.ウ でも居なかった時は、俺がライブで上手くできないから、逆にダメなだけで、やっぱりちゃんとしないとダメなんだけど(笑)。実は役割分担がみんなあるんだよね。
H そういう役割分担って補填し合うっていうか、そこに気付いてしまうと『俺がやんなきゃ!!』って思うだけの話で、俺は全然好き勝手やってたい方だから人間としては、なんか色々『あーしてこーして』ってタイプじゃないけど最近そうなってるのはなんでだろう?みたいな(笑)!!でもそれは色々なことに気付いてるからだろうね。
M.T.ウ そこは考えてるからだよね。
M まかせちゃうところはありますね。
M.T.ウ 短所長所で考えるんじゃなくて、もう自然の流れでそうなってる。誰かが考えてるから力が抜けてるっていうのもあるし。そこはもう10年近くやってるから言わなくても、分かるっていうか。…でもまぁこれからGAGLEは世界に行きますよ!!世界に!!

■ おぉぉぉ!!

M.T.ウ ヨーロッパで特にHungerのRAPとか聞かせると『面白いね!』って返ってくる。GAGLEが向こうで普通にラジオでかかったり、別に悪くないけど、そういうのって日本のメジャーの売れる曲をやってても反応してくれないし、ただ日本でオリジナルで、昔からのHIPHOPを好きでやってる人の方が評価されやすい、ヨーロッパは。逆にアメリカではちょっと難しい。
H アメリカではどうしても下に見られる。
M.T.ウ アメリカ以外は下に見ちゃう、どうしても…。そうじゃない人もいるけどね。マーケットでは無理だと思う。

■ 日本語だからですかね?

M.T.ウ それもあると思う。
H 後はアメリカが発信だ!!っていうのもある。
M.T.ウ メディアは絶対無理だと思う。『好きだ』っていってくれる人もいるし、日本のRAPが好きな人もいっぱいいるけど、逆にヨーロッパだとメディアが反応してくれる。『格好良いじゃん!!コイツ等!!』ってな感じで。
H 中国人でJINってラッパーがアメリカであれだけやれたっていうのはスゴいと思う。それは英語を完全にマスターした中でバトルみたいなのをドンドンやって勝ち上がっていってるし。
M.T.ウ でも結局は英語だけどね。
H うん。でもそういう風に分けないといけないのかな?って…やっぱりハードルが高いからね。
M.T.ウ ヨーロッパのジレンマは日本と似てた。ドイツ語とかでみんなやってるから、俺が行った所はドイツ語が多くて、フランス以外ほとんどドイツ語でやっぱり『アメリカでは全然ダメだ……』って言ってた。結局はアメリカから始まった音楽を言語も全然伝わらないから、みんなフロウで聴いてくれっていうか、言葉が伝わらなくても全然聴いてくれる。日本人と同じ耳で。
M 日本人と近いですよね。
M.T.ウ アメリカのHIPHOPの歌詞をもちろん完璧に分かってる人もいるけど、そうじゃない人 が多いでしょ。発声が格好良いとか、トラックが格好良いとかそういう感覚がヨーロッパで多くて、だから日本のHIPHOPの自然に聴いてくれて、『お前のアルバムのイントロの曲が超格好良いよ』とか『このラッパーは誰なんだ!?』って言われて『俺の弟だよ。』って答えたり。スロバキアに向かう車でスロバキアの人も『スゴい格好良いよ!!』とか。
M フランスのを聴こうとドイツのを聴こうとやっぱりラッパーのタチっていうのはスゴい聴いてる。声の出し方とか使い方とかは声を聴くだけで分かるから。間の空き方とかそういう聴き方をしていけばもっとRAPが面白くなるんじゃないかな。

■ ヨーロッパの人は新しいモノが好きなんですかね?それとも良いモノを評価するんですかね?

M.T.ウ 良いモノを評価するって感じだったね。今回行った感じでは。スゴい良い感じだったよ。でも俺を呼んでくれた人達だったから、メインストリームももちろんいっぱいあってそういうHIPHOPをやってる人もいっぱいいた。でも日本と同じで10分の1のマーケットしかないからかも知れないけど同じ気持ちの人はいっぱいいて、レコード屋もしっかりしてるっていうのは感じたな。だからGAGLEが行く可能性も全然あるなって思った。去年とか日本語では絶対無いなって思ってて、でも絶対っていうのは全然なくて、むしろ半々くらいでもっと格好良いの作ったら絶対聴いてくれるし、イケるって自信がついて帰ってきた。
H 今はインターネットで色々な国のHIPHOPが聴くことが出来るから、もし聴いてもらえれば、兄貴の作ってるビートなりがどれだけレベルの高いものか分かってもらえると思う。今はそういう意味では情報が入るから。本当に世界にHIPHOPがあるから。
M.T.ウ カンボジアとか。
H モロッコとかイランにもある。
M.T.ウ 第一、俺がスロバキアにちゃんと呼ばれて、そこにも『サインくれ!』って人がいるってことはやっぱりスゴいなって思う。HIPHOPってどこにでもあるんだって思う。その国の言葉でやってるし。英語じゃなくてね。
H そういうのを見ると力を貰える!前はアメリカのを聴いて『かっけーな!!』って思ってることが多かったけど、同じような気持ちで音楽を聴いてて少しの劣等感を感じながら頑張ってる人達を発見できた時にスゴい力になった!そして自分達の音楽に自信を持てた!
M そして……MIX CDを出す(笑)。
H そう!今度世界中のHIPHOPを集めたMIX CDを作っててそれを出す。

■ それはこれからですか?

H いや、もう出来た(笑)!!でもそういう視点からHIPHOPを見るとHIPHOPって面白いと思う。

■ 違うところがまた見えて。

H そう!『世界中でやってるんだ!』って、どうしてもアメリカ、ヨーロッパって意識しかないから、アジアにもちゃんとあるし、韓国にもGARIONってグループがいて兄貴にプロデュース依頼してくるくらいだから。
M.T.ウ もうメジャーでやっててアンダーグラウンドで活動してるグループで、この間ヨーロッパに大韓航空で行った時に普通に流れてた。
H そういうの見ると韓国ではコイツが頑張ってるとか分かるから良いよね、例えば俺達がチャートの10位とかに入って空港で流れてれば、それをアメリカ人が聴いたら『GAGLEってスゲー良い!!』とかになれば、日本のHIPHOPの認知度のレベルがグッと上がると思う。これからリスペクトを勝ち得ていかないと対等にはなっていかないと思う。

■ では、質問はこれで終了なんですが、告知とかありますか?

M.T.ウ 今は『EASTERN VOYAGE』だよね!
H そう! 10月にやります!
M.T.ウ あと6月12日にリミックスを出したんだけど、海外モノのリミックスとかコラボレーション作品が入ったCDが出ます!
H あとはMu-RもまたMIX CDとか出すし、兄貴も夏くらいに出すし、俺のやつも出す。
M.T.ウ 裏の仕事もドンドンやる。…でスタジオを建てる(笑)!!
H まぁ頑張りましょう!!秋のイベントで何か手ごたえが掴めたらもっともっとでっかいイベントにしたいと思うので、よろしくお願いします!!


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