Tadashi Fuse / ISSUE06

Date : 2007.12
Common Magazine issue06

HUMANREPORT × Tadashi Fuse from heartfilms

heartfilms WEB

ISSUE06 DETAILS


■ よろしくお願いします!

TADASHI(以下T) よろしくお願いします。

■ えっと…まずはですね、よくある質問かとおもうんですが、スノーボードをはじめた始めたきっかけを教えて下さい!

T  えっと…きっかけは…スケートボード、夜スケートボードやってたんですよ。そしたらそこにスノーボードやってるって人がたまたま来て、色々話をしてたんですよ。 「なにしてるの~?」みたいな感じで。10歳くらい上の人だったんだけど、その人がスノーボードやってるって事で、その頃は全然興味なかったんだけど、その時その場のノリで「ビデオあるから見に来なよ」って事になって。そのままその人の家に見に行ったんですよ。

■ それがきっかけですね!それは山形にいた時ですか?

T そうです!地元ですね!

■ それからもうハマっちゃったって感じなんですか?

T そうですね。でも実際に始めたのは次のシーズンからですね。まあ、お金ためてスノーボード買って。で、その人に色々連れていってもらって、その後蔵王にすぐこもったんですけど。

■ それは何歳の時ですか?

T それは…16歳の時ですね。で、その兄ちゃんとオレゴンのマウントフットっていう所にサマーキャンプに行ったんですよ。2週間だけ。…衝撃的でしたね(笑)

■ DVDでストリートっぽいところや実際にスケートやってたりしますよね?

T そうですね。やっぱりスケートのアイデアっていうのは凄い大きいですね!

■ じゃあスケートからスノーへという流れなんですね!サーフィンとかもやったりするんですか?

T そうですね。サーフィンは全然後になってから始めた感じですけど。

■ 横乗り系は大体なんでも…って感じですね!

T はい。全部大好きです(笑)

 

 

■ heartfilmsのWEBの方でも若干載ってますが「日本人初のフルパート獲得」っていう部分について(SHAKE DOWN等)そこに至るまでの流れみたいなのを教えてもらえますか?

T それはですね…自分はやっぱり「上手くなりたい!」見たいな感じでずっとやってて…このまま日本にいたままじゃステップアップできないなって思ったんですよ。 やっぱり山はそこまで大きくないし…あとやってる事が違うじゃないですか、やっぱり。このまま日本にいたんじゃ置いていかれるって思ったんですよ。
 日本のブランドのままじゃ、海外に推したりもしてくれないし。国内で完結しちゃってる感じなんですよ。そこで海外のブランドに飛び込んでいこうと思って…そっからですね。 で、スイスにいる頃、上手く話しがきたのがROSSIGNOL(ロシニョール)だったんですよ。そこのチームに参加して…ヨーロッパなんですけど、色々活動して…カナディアンとかもいっぱいいたんですけど、でそこのチームメイトに、カナダのワイルドキャッツってチームに所属してるやつがいたんですけど、自分の兄貴分みたいな感じで色々教えてくれて、そこからが自分の中でスタートした!って感じでしたね。

■ そこから2004年にBURTONに移籍したんですよね?それはなぜだったんですか?

T それは、その前の年(2003年)くらいからオファーがきてたんですよ。でもBURTON大嫌いだったんですよ(笑)

■ 一同(笑)

T 勝手なイメージをもってて、なんか「金にモノをいわせてる」みたいな…でも実際中に入ってみてみるとそんなことなくて、さっき話した自分のステップアップって意味で、たくさんの凄いライダーの中で一緒にやってみたいって思ったんですよ。色々な人に相談して、アドバイスをもらって…どこまでいけるか分かんないけど、自分を上へ上へって気持ちでした。もうその頃からカナダにいて、エージェントっていうかマネージャーみたいな人がいて…

■ もうその頃からカナダにいたんですか?

T そうですね!ROSSIGNOL(ロシニョール)時代から既にカナダで活動してました。その頃はもうすごいピリピリしてて…日本は全然頭になかったですね。…自分は凄いシャイなんですけど、とりあえず海外のライダー達の中にどうやって入り込もうかなって事ばっかり考えてました。ワイルドキャッツって、酒飲んでワイワイするのが好きな結構やんちゃなチームなんですけど、酒飲みながらってのが多くて、それで入っていきやすくなりましたね(笑)

■ とりあえず騒いで!入ってけ!みたいな(笑)

T 自分の中で英語っていう言葉の壁はあったんですけど、まあ、深い話はできなかったですけど…ノリでなんとかなってましたね(笑)

■ じゃあ英語の勉強は徐々に徐々にって感じだったんですね。

T はい……いや…勉強はしてないっすね(笑)

■ 自然と話せるようになったんですか?

T はい…話せてるのかわかんないっすけど(笑)

■ 一同(笑) カナダ以外にも色々な国に行ってるんですか?

T そうですね。ROSSIGNOL(ロシニョール)時代から、色々な国に行ってました。BURTONに入ってからもそうですね。それが凄い面白いんですよ。撮影の度にクルーを作って次は○○で撮影ーみたいな。初めて一緒に撮影するライダーなんかがいると「こいつどんな感じなんだろう」みたいな。面白いし、すごい勉強になるっすね。

■ やっぱり一緒に滑るライダーに勉強になったり、影響を受けるっていうのは結構あるんですか?

T そうですね。BURTONに入ってすごいいいなって思った事があって、ライダーもそうなんすけど、スタッフなんかも含めて、仕事の仕方っていうか進め方とかがすごい勉強になりましたね。

■ 色々な山に行くじゃないですか?…で色々な斜面に挑戦して……恐い!とか思った事はないんですか?(笑)

T 恐いですよ(笑)大体自分で雪の状況とか見て、ここトライしたいって決めるんですけど、上に立つと…高いし、岩がごつごつだったり…それはすごい恐いんですけど、そこでもステップアップっていうのをいつも考えてるし…悔しいじゃないですか(挑戦しないで諦めるのは)自分に言い聞かせて(笑)滑り出したらもう行くっきゃないって感じで(笑)恐いですけど、トライしてメイクできればその分レベルアップできるし、最高に嬉しいですしね。

■ heartfilmsを分からない人に説明するとSNOWBOARDのDVDのフィルムプロダクションですよね?

T  はい!そうです!

■ ライダーさんはみんな昔からの知り合いなんですか?

T そうなんすけど…あんまり知らないやつもいるんですよね(笑)

■ 一同(笑)

T っていうのも、日本全国から色々なやつを集めたかったんですよ。仙台ならジュンくん、ヒロミがいて、その周りの人がいて…みんな応援してくれて盛り上がったりするじゃないですか。すごい地道なんですけど、そうやって日本全国のライダーとその周りが盛り上がってくれれば、例えば、仙台のヒロミが北海道に行ってこういうやつもいるんだって分かってもらえるじゃないですか。そういう狙いもちょっとあって…地道にやっていこうと思ってます。

■ やっぱり世界に向けても日本人ライダーをアピールしていきたいという気持ちも?

T そうですね。はい。カナダから日本に行ったり、アメリカに行ったり…「日本人もこうやって楽しんでるんだよ」っていうのを伝えたかったですね!今回は日本人だけだったじゃないですか。でも今後は現地のライダーなんかも絡んで撮影とかできたら、うちのライダーのレベルももっとあがると思うんですよね。

■ DVDの方は全世界で発売されているんですか?

T 今はとりあえずアメリカとカナダ、日本という感じです。アメリカの代理店が今後どうするかですね。ヨーロッパにも発信されるかもしれませんね。

■ アメリカでは日本のDVDは販売されてるんですか?

T ないです。だから多分新鮮ですよね。「こんなのあるんだ」見たいな…

■ 海外の視点から見て日本のスノーボードは注目されていますか?

T 日本というマーケットは注目されてると思います。かなり大きいと思いますよ。だから向こうのやつは結構日本で名前売りたがるんですよ。

■ 日本のライダーの注目度はどうですか?

T あると思います。世界の大会で名前売ってってるやつとか何人かいるんで。徐々に徐々に増えていくと思うんですよね。これから。

■ heartfilmsにもやっぱりそういう目的があるんですか?

T そうですね。これからどんどんここからでてって…だから仲良し仲良しするんじゃなくて、そこはやっぱり厳しくやんないとって思ってます。みんなプロフェッショナルな意識を持って…甘えがないようにですね。撮影になるとみんな変わりますね。やっぱ気軽じゃないんですよ。雪山に登ったりとか危険もあるし、朝早く行かないと(光の関係で)雪が死んじゃったり、やっぱ(朝早く起きるのは)辛いじゃないですか?(笑)

■ 一同(笑)

T そういうのもあって、やっぱり撮影前日は「やるぞ!」みたいになりますね。モチベーションあげていかないと、だらだらになっちゃうと撮影にならなかったりとかもありますからね。

■ 撮影はある程度目星をつけていくんですか?

T そうですね。ある程度イメージできます。やっぱりあっち(海外)で色々なやつらと一緒にやっていくうちに徐々にわかってきましたね。最初は全然分からなかったですけど…

■ 遭難した事とかはあるんですか?(笑)

T 遭難は~…ないっすね。(笑)でもあの雪山で真っ白になってくると辛いですね(笑)でもその辺の判断も大事ですね。そろそろ来そうだな~ってなったらみんなで帰ろ~みたいな…。

■ 雪崩なんかも結構DVDの中でも…

T そうですね~雪崩は…危ないっすね(笑)

■ 一同(笑)結構よくある事なんですか?

T いやそうでもないですけど…まわりでよく聞いたりはしました。「昨日雪崩で亡くなった人いるらしいよ」とか。でもあれくらいの雪崩ならまだましなんですよ。埋まったらあれなんですけど…埋まっちゃうと本当動かないんですよ(体が)。表面くらいならまだいいんですけどね。30cmくらい埋まっちゃうともう動かないですね。でもまあ、あれくらいなら大丈夫です。場の空気が重くなっちゃったりはしますけど。「…ど~する?」みたいに(笑)

■ 一同(笑)今回のheartfilms vol’2で一番気に入ってるシーンを教えて下さい。

T 一番最後の方のやつですね。岩でハンドプラントみたいな…ちょっとおちゃらけてる感じのやつです。あれすごい気に入ってます。コマネチみたいなのやってて…(笑)んでフロントフリップみたいな…

■ フィルマーさんは何人いるんですか?

T フィルマーはタロウさんとケイジの二人ですね。他の人にもたまに撮ってもらったりしてましたけど。撮影の時は大体ライダー3~4人とフィルマーでそれで2クルー作って…たまにみんなで撮影っていうのもありましたけど。

 

 

■ 今後の動きっていうのはなにかありますか?

T ウィスラー(カナダ)をベースにしつつ、色々動きたいっすね。

■ それはVol’3に向けてという事ですか?

T はい。カナダ・日本・アメリカとか…本当に幅広く動きたいですね。ヨーロッパとか…なかなか難しいっすけど(笑)ライダーのトラベルバゲッジとか…全部本人の実費になっちゃうんで…キツイなーっていうのがあるんで。そういう所もなんか、上手くやりたいっすね。 ロードトリップとか、そういうパートとかも面白いじゃないですか?

■ どういう瞬間が一番「スノーボードやっててよかった!」って思いますか?

T やっぱりみんなでバックカントリーとか行って…そこにはもう自分達しかいないんですよ。で、色々滑って…「じゃあそろそろランチにしよー!」って、そのランチの瞬間が本当に大好きっすね(笑)みんなで輪になって…本当に音とかもなんにも聞こえないような中で。あの雰囲気が大好きです。あとはゲレンデとかでみんなでフリーライディングして…すごいテンションがあがるんですよ。結局みんなバラバラになっちゃうんすけど(笑)ああいう瞬間も大好きです。やっぱそういうのがスノーボードかなー?って思うんです。みんなで楽しんで、笑顔がでて…みたいな。

■ 自分にとってのスノーボードとはなんですか?

T …遊び…ですね(笑)やっぱそこからはいったんで。まあメリハリはつけて。遊びの時は遊び。仕事の時は仕事で。本当ラッキー(スノーボードを仕事にできて)だと思います。(笑)でもやっぱりそこで適当な事はできないなって思ってます。やっぱプロフェッショナル…それでお金もらってる訳じゃないですか?だから広めていくっていうか…夢を与えるっていうか…そういう事をやっていかなきゃなーって思ってます。

■ それで下の世代を育てるような意味もあるんですか?

T そうですね。適当な事やって下の世代に悪影響を残したりとか…ダメだと思うんですよ。結構ちやほやしたりする大人もいるんで、それで変わっちゃりしたライダーもいるんで。それはちやほやした大人も悪いですけど、本人にも責任はあるっすよね。

■ ありがとうございます。では…最後になるんですが、今後の「夢」を教えて下さい。

T 夢?…ん~……カナダに住みたいです(笑)

■ 一同(笑)永住ですか?(笑)

T はい。なかなかとれないんです。

■ だから今はハッキリいって観光扱いですね。観光ビザで行ってます。

T だからあまり滞在し過ぎると強制送還もあります。たまに(笑)

■ 一同(笑)

T 向こうに(カナダ)住んでこそできる事もいっぱいあると思うんですよね。今実際やりずらい部分もいっぱいあるんで。

■ じゃあ当面の目標はカナダに移住ってことですね?

T はい!(笑)


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